時々ニュースなどで見かける電線の盗難被害、工事現場内の電線に限らず「嘘でしょ?」というものまでターゲットにされるなど、数年前から犯行が大胆になって来た印象があります。そんな中で、狙われやすい電線と実際に成功した盗難対策を紹介します。
どんな電線が狙われるのか?
工事現場内では工具、自動販売機等いろいろな物がターゲットにされます。見た事がある人も多いと思いますが、工事現場の入り口等に使用されている鉄製の開閉式ゲート、アコーデイオンカーテンと言われる物(大きさはマチマチですが、広げた状態で小さい物でも縦2m×横6~7mはあるかと思われます)まで被害に遭ったケースもありました。
そんな中で最も狙われるのが、「太物」と言われる一定サイズ以上の電線です。電線は含まれている銅の量と重さで値段が決まります。(例えば銅70%でキロ600円など)なので太くて重い物ほど儲けになると言う訳です。
搬入された真っさらの状態では、電線は「ドラム」という物(大きさは大小様々です)に巻かれていて、重いですがゴロゴロと転がせるので移動が容易です。この状態が1番狙われやすいと思います。1番神経を使うトコですね。
電線を図面通りに這わせる、施工する作業を「電線を引っ張る」、「電線を伸ばす」と言ったりしますが(ちなみに元電気工事士です)、理想は「電線を引っ張る」当日に搬入するのが危険も少なくベストです。盗まれる前に伸ばしてしまえという事ですね。
しかし、輸送や現場の状況等の事情で搬入が前倒しになってしまう場合があります。そして、仲間内の現場で実際に被害に遭った例もたくさんありました。
奪われるのは電線だけでは無い
被害が拡大して行く中、現場側も色々と対策を施してある程度被害が落ち着いて来たと思っていた、そんな矢先に「引っ張った」後の電線を持って行ってしまう強者が現れ始めました。
引っ張った後の電線を持って行かれる、そのショックはとても大きいです…。電線そのものに加えて、それまで費やした時間と費用、それに何より「まぁた苦労して同じ作業をするのか……」と仕事に対するやる気や覇気も奪われてしまう。鬼のような所業ですね…(鬼が2度も現れた現場もありました。)
そして、電線ばかり注意していると忘れた頃に工具を持って行く。被害に遭うのは現場に限りません、会社の倉庫も何度か荒らされました。まさにやりたい放題ってヤツです。
被害後の対処と成功した盗難対策
さて、盗難に遭った場合警察に被害届けを出すんですが、その時関係者?全員の指紋をとられました。電気屋さんの休憩所から何か盗まれた時は、その休憩所を利用した人全員からみたいな感じです。
ちなみに、指紋をとる時は指の腹だけじゃなくて側面もとるんですね。爪がある面を除いてグルっと指の4分の3位をとる、といった具合です。
少ないですが犯人が捕まるケースもありました。特殊塗料を使った対策が有効だったようです。特殊な塗料で電線に文字や目印を書くと、普段は見えないその文字や目印がブラックライトに照らされると浮かび上がる、といった感じです(説明ヘタですな)。
いつも使用している買い取り業社に協力してもらって、怪しいのが来たらチェックして貰うように頼んでいた所、たまたまヒットしたという事でした。
まとめ
- 工事現場では色々な物が盗難被害に遭う
- 最も狙われるのは「太くて重い」電線
- 有効だったのは特殊塗料を使った対策
まったく困ったもんですね。東日本大震災で、日本人のマナーを守る姿勢が世界から誉められていましたが、輩ばっかりです。みなさんも盗難には充分気を付けましょう。
以上、電線の種類と成功した盗難対策の紹介でした。