工事現場のあらゆる作業で使用される仮設の電気。使用頻度が多ければそれだけ、トラブルも起きやすいんです。
ここではそのトラブルの主な原因と、仮設電気の役割などをまとめて紹介して行きたいと思います!!
工事現場の仮設電気の役割
工事現場での電気の使用範囲は、現場全体に及ぶと言ってもいい位ですが、大きな役割としては、
- 現場内の照明(事務所等のプレハブや仮設トイレを含む)
- 作業の為の電源供給(100V・200V、溶接機等は主に200Vの電圧の物が使用されます)
- 現場内の設備への電源供給(ロングスパンと呼ばれるエレベーターの様な物やエレベーター本体、自販機等)
とこんな感じですかね。
事務所等のプレハブと仮設トイレ、自販機は(現場が動き出す前に)設置されるのとほぼ同時に作業をしてしまうので全然問題ないですが、その他の照明や電源(コンセント)は本工事の合間をぬって作業しなければならないので、これが非常に面倒臭いんですよね。
現場が大きければ仮設専門の電気屋さんが居たりするんですが、それなりの規模の現場だと「ついでにやって」みたいな感じで頼まれてしまうので、電気屋さんも結構大変です。
仮設ならではの事情
他の物との違い
そもそも仮設ってなに?と思われた方も居ると思います。これから新しく建てる建物に対しての物を「本設」、もともとあった物を「既設」や「既存」と言ったりしますが、ざっくり言っちゃうと「臨時に使用する電気」って事ですね。
そして他の物との1番の違いは「使用期間がある」という事だと思います。工事現場の工期によって期間が決まりますが、もちろん延長する事もできます。
あくまで仮のもの
予算が決まっているのもありますが、仮の物なのでなるべく簡単に、そして撤去しやすい感じにしておきます。きっちりやりたくなりますが、仮設のメリットは扱いやすさと機動性です。自分の中のこだわりと現場から求められる物のバランスを取るのは、作業する人のセンス次第、という事になりますね。
繰り返しになりますが、「臨時の物」なのであまりビシッとやる時間もお金もありません。電線もコンクリートに埋め込んじゃったりします。(支持する手間が省けるし、どうせ天井裏に隠れてしまうので)そしてそんな仮設の性が、トラブルの原因になってしまう事もあるんです。
(下の画像は仮設用のコンセントです)
電線を側面から差し込む作りになっていて取り付けも撤去も簡単にできます。
仮設電気のトラブル原因
現場の電気は落ちる(ブレーカーが下がって電気の通電が遮断される事を落ちると言ったりします)事が多いです。そしてその原因を起こすのは大抵が「人」です。では頻度が多い3つのケースを順番に見て行きたいと思います。
- 原因第3位・ドリルで天井の電線をやっつける
天井から重量物等を釣る時に天井面のコンクリートからボルトを下げるんですが(わかりづらくてすみません)、その前作業としてアンカーと言われる物を天井に打ち込みます。その際に穴を開ける(大きさはアンカーによります、直径10mmや12mm、深さも2~5cm以上の物まで様々です)ドリルで、埋まっている仮設用の電線を傷つけてしまうんですね。
- 原因第2位・漏電
駄目な機械と言いますか、電気的に状態が良くない道具はスイッチを入れた瞬間に電気が落ちてしまいます。現場には作業する人の数だけ道具も集まるので、中にはこういった物も紛れていたりするんです。単に道具の管理不足とも言えます。
- 原因第1位・容量オーバー
ブレーカーに対して流せる電気の量が決まっているので、消費電力の大きいもの(コンプレッサーなど)を同時に使用されると落ちてしまいます。使い方や新たに電源を引っ張って来る等の工夫が必要になりますね。
まとめ
- 仮設電気の使用は工事現場ぜんたいに及ぶ
- 仮設はあくまで仮設
- 仮設のトラブルの原因を起こすのは大抵が人である
仮設の電気は限られた時間と予算の中で施工するので、それなりの物になってしまいます。簡単な物ほど扱い方をまちがうと面倒くさい物になってしまうので、取り扱いには(機会があれば)充分注意しましょう。
以上、仮設電気のトラブル原因などの紹介でした!