毎年猛威を奮う熱中症!、搬送者数や死亡件数も増えて来ていて怖いですよね。夏場など暑い季節に発生件数が集中していますが、実は無関係に思える時期にも災害事例があるんです。
ここでは熱中症の原因と発生件数、実際に工事現場で体験した意外な季節の災害事例等をまとめて紹介しちゃいます!
熱中症の発生状況
平成 28年の業種別の発生件数は全部で462件、その内死亡件数は12件となっています。
- 建設業:113件(内死亡件数7件)
- 製造業:97件
- 運送業:67件
- 警備業:29件
- 商業:39件(内死亡件数1件)
- 清掃・畜業:37件(内死亡件数1件)
- 農業:11件(内死亡件数1件)
- 林業:13件(内死亡件数1件)
- その他:56件(内死亡件数1件)
建設業と製造業の発生件数が目立ちますね、この2つで全体の半数近くを占めています。
さらに平成24年から28年の5年間の発生件数は約2300件で、104名の方が亡くなっています。今年の日本全体での熱中症搬送者数は50000人を超えました(7月だけで30000人以上!)、5名の方が重症判定(3週間以上の入院加療が必要)を受けましたが、幸いにも亡くなった方はいませんでした。
種類と原因
熱中症にはいくつかの種類があって症状が違い、原因もそれぞれです。
- 熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳への血流が悪くなる事で起こる。
- 熱疲労:大量に汗をかいて、水分補給が追いつかずに身体が脱水状態になる症状。
- 熱けいれん:大量にあせをかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に身体全体に痛みを伴ったけいれんが起こる。
- 熱射病:体温の上昇の為中枢機能に異常をきたした上昇状態。意識障害、ショック状態になる場合もある。
上記に共通する症状として体温の上昇があります。加えてめまいや吐き気等、熱中症が疑われる症状が出た時は涼しい場所で身体を冷やして水分、電解質(スポーツドリンク等)を補給してください。症状が重い場合は救急車を呼ぶ等、医療機関へ急ぎましょう!
(持ち運ぶ等、すぐ補給できる様にしておきましょう)

引用元:https://www.photo-ac.com/
ちなみに経口補水液とスポーツドリンクは、塩分と糖分の量等の違いがあるみたいです。
工事現場で実際にあった災害事例
結果(災害)には原因(油断、過信)がある
7~8月は気温が高く、発生件数も多い為特に注意が必要ですが、気温が低い時期でも状況次第では熱中症になってしまう場合があり、そして実際にそうなってしまいました。
季節は冬、それも大晦日!発症者は実は私です・・・。
現場は岩手県の某部品工場、作業場所は稼働中の電気炉の真上でした。詳しい説明は省きますが、温度が50~60℃位あったと思われます。長い時間はもたないので15~20分(もっと短かったかも)位で休憩を取り、水分などを補給してまた作業を再開する、そんな感じの流れでした。
完全に甘くみてましたね。面倒くさがって水だけを補給していたら19時を越えた頃に足がつり始めました。だんだん痛みが強くなって来て、とうとう最後には全身がけいれんを起こして動けなくなってしまったのです。上記にもある熱けいれんの典型的な例でした。
把握しているめまいや吐き気などの症状がなかったので、病院に運ばれるまで自分が熱中症になっているとは全く気付きませんでした。「自分は大丈夫」という傲りもあったのかも知れませんが。
痛みと反省
病院で点滴等の処置を受けた後も、けいれんはしばらく収まりませんでした。波があって痛みが強弱を繰り返すんですが、これがまた物凄く痛いんです(;-_-) ・・・。身体の内側からジワジワ来る感じで、キツかったです。
痛みが落ち着いて来たのは22時位だったかと思います。2時間位はずっと痛かった事になりますね。現場にも迷惑をかけてしまったのでこの時は自分の認識不足を反省しました。
病院からはさんざん泊まっていけと言われましたが、けいれん以外は元気?というか大丈夫な感じだったのでなんとか帰してもらえました。お正月はやっぱり自分の家で迎えたいですからね。
まとめ
- 工事現場に限らず熱中症被害は深刻である
- 熱中症にはいくつかの種類と原因がある
- 対策や備えが大事!
熱中症対策は水分補給や適度の休憩等色々とあるとは思いますが、まずは熱中症を正しく知る事が1番の備えになるのではないでしょうか。気温が35℃以上の猛暑日が当たり前になりつつある現在、しっかりとした備えがより必要になって来ると思います。みなさんも充分気を付けましょう。
以上、熱中症の原因、災害事例等の紹介でした!